母からの電話、踏み込むアクセル。
節々が腫れた愛犬ジュニア。夜中でも診察していただける先生のところに急ぐ。
一目で悪性リンパ腫の疑いを指摘される。詳細は病理検査にて確定。細菌性の病気の可能性もまだ排除出来ないので、それまではステロイド治療を行う。のち、抗ガン剤治療を開始予定。
「何もしなければ二週間」という言葉に涙溢れる。治療に要する費用についても色々な検討が必要だ。ただ、最善のためには何も惜しみたくない。ジュニアの存在あればこそ培われた今の自分に、出来ることを考えて動く。悔やむ弟と母に、これからだけを考えようと話す。
いくつかの針が小さな身体に刺さるたび、悲鳴のような鳴き声をあげる。すぐに済むから少しだけ少しだけと、人間の声で励ますばかりの無力。
家族です。
自分の軸です。
不安と想いが胸を占めていることを吐き出して、これから、不安定になるかもしれない自分を示唆するのは卑怯なこと。
それを承知で、そばにいてあげたいと思った。
失いたくない。