秋桜の揺れる海、鱗雲の泳ぐ空。年末という慌ただしさを迎える前の、ほんのひととき、心を休ませてくれる情景。誰が近づいても、誰が見上げても平等に、もう、季節がここまで進んだことを優しく教えてくれる▼拙ブログに「雨は虹の卵だね」と書いたことに反響があった。雨という目先に憂いを覚えるのも、雨の次を期待するのも、心の構え方ひとつ。万事塞翁が馬、締めくくりに明るい色の来るような、そんなラストスパートを意識していきたい▼twitterやFacebookに、夕暮れの写真が並んだ。皆が同じ空を見上げているのだと、とても嬉しくなった。
—
コスモスもウロコも母のふところも
月刊ふあうすと 2012/11月号
裏表紙掲載