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震災の映像のどこかで、父は、ひととして在り続ける。

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あの「阪神・淡路大震災」で本当は一体何が起きていたのか、その真実がよくわかるムービー集 – GIGAZINE

毎年、一番の泣き虫になってしまう日がやってきた。

今年は上のサイトの映像を眺めて過ごした。
すると全身が震え始めて、涙が止まらなくなってしまった。

震災の中にいて、父とした会話のことが一気に思い出されたんだ。

「焼けなくて良かったよなぁ」

神戸元町の商店街で。
父は、バイクの後ろに乗って、店が大丈夫だったことを確かめるとすぐに。

ありったけの在庫のリュックを、利益なしで売り始めた。

そんな父の様子を、テレビ局が取材に来てくれた。
もしかすると、まだ見ないどこかのネット上の映像で、父に出会えるのかもしれない。

父は話してくれた。

「それぞれが、出来るときに、出来ることをやればいい」

無になってもおかしくなった、そんな命と、店の灯りと。
一生懸命守り続けたのに、そうか、もう、父はいなくなっちゃったんだよな。

「せっかく助かったのになぁ」

そう、声に出したら、ぶわっと涙が溢れ出してしまった。

あの頃、大学受験生だった僕は、出来ることを、一生懸命にやった。

そして今の僕は、ちゃんとやるべきことを、出来ているんだろうか。
何年経っても特別な一日に。

今年からは、父への想いも重なってしまって。

ますます、生かされている時間への想いを新たにしていくことになるのだろうと思う。

出来るときに、出来ることを。

震災の日と、そこからの。
いろんな教訓が刻まれている、父との、父からの、神戸の街からの。

色褪せないままの自分を、表現し続けていけるようで、ありたい。

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