去年、父を亡くしたとき、病院の方と葬儀会社の方が丁寧に父を清めてくださって、
元気だったころのふっくらとした表情に再会することが出来ました。
死んでしまっているのに、不思議なものです。
その表情の父が自宅の居間にいてくれるだけで、
「嬉しいねー、ずっとここで寝ていてほしいね」
「今にもイビキが聞こえてきそうじゃない?」
なんて、父を撫でながら、そんな温かい時間の流れを過ごすことが出来たのでした。
【おくりびと/百瀬しのぶ(小学館文庫)】を読了。
旅立ちのお手伝いをする仕事。
でも、忌み嫌われてしまう仕事でもあり、家族や友人からは理解も得られず、職業と
して続けていくこに葛藤を覚える主人公。
父からのメッセージ、子に残したい想い。
死生観を新たにするきっかけとなる、とても深くて温かい物語でした。
多くを語るよりは、是非、読んでもらいたいなぁと思う一冊。
文庫サイズで200ページもありませんので、1時間ちょっとで全て読むことが出来ました。
奇しくも今日の同友会、新春例会のテーマは「継承」。
会社も、人も、受け入れて繋がっていく縁があります。
僕は父からのバトンを、太く濃くしていくことが出来るのでしょうか。
色々と考えてみたい、これまでと、これからの時間が浮かんできます。
懐かしい景色に、とてもとても、会いに行きたくなってしまいました。
※例会会場まで持ってきていただいた井戸書店のMさん、ありがとうございました。