起きたら12時で驚いた。
父親に貸してやりたくて、本を急いで読む。
病院に着くと、父は、ベッドに腰掛ける形で夢の中にいた。
痛そうでも、苦しそうでもなく、子供のように春に照らされていた。
地下の茶店で、父にお茶をおごって貰った、約束だった。
車いす、少しは気分転換になったかい?
悲観的なこと言うんじゃないって。
手術終わったら、無事退院したら。
今度は、高級なレストランでも旅行でも、もっと高額なもんを
おごってもらわにゃぁ。
まだまだ、親不孝させてもらうから、早く元気になってくれ。
いつも、気取って、頑張って、大人の顔してんだから。
子供に戻りたい時間があっても、ええやんね。
これからも甘えさせてもらうよー。
夕方、祖母(父の母)の家。
おばあちゃん、涙なんて無用だって。
今度もきっと、大丈夫だって。
YESかNOか。
人生なんて、結局は2つに1つ。
でも、信じてやれるのは、たった1つなんだから。
なんにも心配してへんよ。
俺の親父のことやもん。