車道に横たわる命。
伸びようとする腕や足は、まるで寝起きのようでそうではなくて、
きっと断末魔の時間、最後の景色を見ているに違いなかった。
反対車線のにんげんの一人であった僕は、苦しさに襲われながらも、
祈ることしか出来ず、祈りだけを残して、右足を踏み込んだ。
誰かが誰かの余命を憂う瞬間には命そのものであったはずの元気が、
アスファルトと、ほんのアクセルひとつで露と消えていく。
この星に「にんげん以外」なんて生き物はないのに。
にんげんは、罪を作る生き物で、ごめんなさい。
善人ぶるのでなく、罪人の気持ちで、
それでよかったのか、これでいいのか。
たまらない景色だね。